―――高速道路を走り始めて10分ほどが経過していた。
ハンドルを握るのは車の持ち主ではなく清三のままだ。
3列目のシートに座る正志と梨花の間には殆ど会話はない。
カーセックスを思い返した正志が隣の梨花の存在を意識して無口になると、梨花の口数も次第に減ってしまった。
助手席に座る恵美子は頬を真っ赤に染めて俯いていた。
高速道路に上がった直後から、清三の手のひらが恵美子の短パンからのぞく生足をいやらしい手つきで触っていた。
ルームミラー越しに何度も後方を確認しては恵美子の太ももに指を這わす。
恵美子は途中から手が届きやすいように股を広げ右足を運転席側に寄せていた。
程なくして、太ももを撫でているだけでは飽き足らない清三の太い指が、恵美子の短パンの裾から差し入れられたのだった。
ゴツゴツした大きな手からは想像のできない繊細な指先の動きで、迷うことなく割れ目を捉える。
左手の人差し指と薬指で作られたブリッジの中央で、卑猥に曲がったかぎ爪のような中指がショーツの上から割れ目に沿って前後に動いた。
指先の動きは多彩で、強弱をつけたり焦らすように割れ目の中心で円を描く。恵美子の芯が熱を持つのに時間はかからなかった。
高速道路を走行中の静かな車内――――ショーツのクロッチ部分の脇から、汗をかいた恵美子の淫穴に清三の太い指が潜り込む。
「―――うっぁ!」
助手席に座る恵美子の身体は、緊張と快楽の火照りで汗ばんでいた。
夫の同期であり上司でもある男との不貞行為。いつ気付かれるかもしれないという極限の状況下で背徳の快感に咽び泣く。
「うぅ、はぁん」
太い指先が恵美子の淫穴から大量の愛液をほじくり出す。溢れ出た愛液はショーツに染み込み、すぐに座席を汚した。
漏れ出そうな喘ぎ声に堪える恵美子。定まらない視線をかろうじて窓の外へ向けた。
頭の片隅に帰り支度を済ませて車に乗り込んだ時の事が思い起こされる。
―――乗車区分は決まっていない。
普通に考えれば夫婦は一緒の席―――夫の隣に座ることが当然だと思われた。しかし片付けの最中に清三の情熱的なキスに身を委ねてからは、体の火照りと子宮の疼きが収まることはなかった。
自分自身が欲求不満だと自覚させられた。
乗車の際、夫のある身としてはあまりにもあさましい期待を込めて助手席に身を滑り入れたのだった。
自分でも驚くほど大胆な行動だった。夫を押しのけて助手席に座ると、運転席の清三が一瞬だけ驚いた表情を見せ、口元に笑みを浮かべた。その清三の反応を見て帰りの車中での淫靡な時間を想像し胸の内に暗い炎を灯したのだった―――。
「どうだ、疲れてないか?」
ルームミラーから視線を戻した清三が、意地悪く恵美子に言った。洪水のようになっている淫穴に太い指を押し込んだままだ。
恨めしそうにしながらも恵美子は色気を湛えた横目で運転席を見た。
「はぃ、うはぁん―――だ、大丈夫です」
小さな返事の中に混じって喘ぎ声が聞こえたが、3列目のシートに座る正志と梨花には届いていない。
「力を抜いて」
「―――はい。あ、あの、安全運転で・・・・・・」
「それは恵美ちゃん次第かな」
そう言って川野が太い指を抜き差しする。
恵美子は陰部から駆け上がる快感に唇を固く結んで体をのけ反らせた。
「ぐっ、ううう―――!」
「し、静かに」
全身を痙攣させ恵美子がくぐもった声を上げた。
すかさず清三が注意を促しルームミラーで後方を確認した。
「もっと気持ちよくなる?」
「・・・・・・」
「安全運転の方がいい? それとも乱暴な運転?」
「いまは、あ、安全運転で―――――― でも乱暴なのも・・・・・・いいかも」
家族が同乗する走行中の車内にあって、恵美子の体はすでにセックスの準備が整っていた。
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