擬似、請負い妻 第11話

NTR官能小説
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 リビングに戻ってきたゆり子の髪は、完全には乾いていなかった。ダウンライトの照明の下で黒光りし、しっとりとした髪をバスタオルで撫で拭く仕草が、妙に色っぽい。

 無言のままの木村は、所在なげに視線を彷徨わせていたが、時折、ゆり子に視線を留めては、その度にごくりごくりと喉を鳴らしている。

 シャワーを浴びたゆり子は、半袖のTシャツと、太ももが露わになったホットパンツに着替えていた。白いTシャツには、ブラジャーの線がくっきりと透けて見えている。
 
 これから行われることを思えば、下着の一枚や二枚が透けて見えたからといって、今更どうということはないのだが。

 冷蔵庫から水のペットボトルを取り出したゆり子は、木村の隣に腰を下ろして、ごくごくと美味しそうに喉を鳴らした。
 
 水を飲む度に、ゆり子が上を向く。喉が上下に蠕動して、晒された白い首筋に、風呂上りの火照った体から噴き出した汗の玉が伝い落ちた。
 その様は夫の俺から見ても色っぽく、木村も同じ気持ちなのか、股間部分が膨らんでいるのが分かった。
 
 今夜の療治の主導権は、ゆり子にある。緊張気味の俺と、興奮極まっている木村は、ゆり子のアクションを待った。
 
 ペットボトルの半分ほどの水を飲み終え、ゆり子が大きく深呼吸した。酔ってはいるものの、時間の経過で皆の顔色は普通に戻っている。

 シャワーを浴びたことでスッキリしたのか、ゆり子はしらふにも見えた。そのゆり子の顔が赤く色づくと、ゆっくりと口を開いた。

「お待たせ。準備はいい?」
 
 言い終わりに、照れ隠しのように伏し目がちになって、唇を少し尖らせた。そんな妻の様子に、本当にやるのかよ、と心中で呟いた。

「―――ちょ、ちょっと。なに黙ってるのよ。準備はいいの」
 
 頬を赤く染め、懸命に療治を進めようとしているゆり子は、素股に近い擬似的な行いを、ごっこ遊びになぞらえた。
 
 妻の表情を窺えば、あれは彼女なりの照れ隠しだったのだと、改めて思う。そう思えば、自分の妻に大きな負担を掛けてしまっている現実に、胸が苦しくなった。

「よし、始めよう」
 
 ゆり子にばかり負担を掛けさせてはいけないと思い直した俺は、戸惑う木村を尻目に積極的に声を上げた。やると決まれば、ゆり子の負担を取り除く唯一の近道は、早くセックスごっこを終える事だけだった。

 ゆり子の考えたセックスごっこは、至って単純なものだ。まず、行為中のお互いの格好だが、服は着たままで行うということらしい。
 
 但し、木村はナニを擦りつけるという理由から、感度の事を考えて下半身はパンツ一枚になる。射精に備えて、コンドームを着装ということになった。

 方法は、下になったゆり子が、大きめのクッションを股間に挟む。そこに、木村が覆い被さり、クッションに腰を擦り付けるというものであった。
 
 つまり―――正常位で疑似的なセックスを行うということだ。

 それと、ゆり子はシャワーを浴びながら、いくつかのルールを考えていた。
 
 一つは、お互いの肌に触れないこと。
 これは、先ほど俺が、嫉妬で療治を中断させたことを、妻なりに考えてのことだと思う。木村にキスを許してしまった、ゆり子なりの反省もあるのだろう。

 二つ目のルールは、行為中は俺が同席すること。
 これは当然の話で、二人を信用しているとは言え、俺からしても譲れないところだった。

 三つ目のルールは、俺が終始無言でいること。
 擬似的だからこそ、集中して状況に入り込まないと効果がないとのこと。俺が同席する以上は、空気のように存在を消して、セックスごっこの邪魔をするな、と言うことらしい。

 最後のルールは、木村に対してのもので、ルールというよりは注文だった。
 それは、最後までする。つまり射精するということだった。
 
 これは、ゆり子なりの優しさだと思う。あえてルールとして口に出すことで、あれこれ考えず、遠慮なく射精してもよい、と女性の側から本音を伝えているのだ。言葉で伝えられれば、羞恥心を捨てて、木村の覚悟も定まるものと思う。

 ソファの上は若干窮屈なので、リビングの床に布団を敷いた。
 股に挟むクッションの選定には、若干の時間を要した。はじめは、四角いクッションを用意したのだが、股に挟むにしても、木村が上から覆い被さるにしても分厚すぎた。

 家にあるもので色々と試した結果、ゲームセンターにあるクレーンゲームの景品に落ち着いた。
 某海外アニメ映画の、人気キャラクターのぬいぐるみを使用することになった。

 俺が想定していた大きさからすれば、かなりのサイズダウンだった。
 
 しかし、実際にゆり子が股間に挟んでみると、人型のぬいぐるみが、妻の股間部分を枕に寝転がっているような恰好となり、セックスごっこを想定すれば、見ている俺にもしっくりときた。

 リビングの掛け時計を見ると、日付が変わったところだった。アルコールの影響で眠くなる時間のはずだが、妙に興奮しているために、頭は冴えていた。
 
 これから行われる行為に対し、世間的に負い目を感じているかのように、俺はカーテンの隙間から外の様子を窺った。隣家の灯りは消え、辺りは静まり返っている。あるはずのない近所の気配を確認して、かたくカーテンを閉め直した。

 
 ◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇ 

 
 半袖Tシャツとホットパンツ姿のゆり子が、布団上に仰向けになって寝転がっている。ホットパンツの股間部分には、胴体を太ももの付け根に挟まれて、頭だけを出した哀れなぬいぐるみがぞいていた。

 頬を朱色に染めたゆり子が、無言で木村を待っていた。
 
 木村は脱衣場でコンドームを装着している。
 
 俺はオットマンに座ったり、ダイニングのテーブルに移動したりと、セックスごっこ中の自分の居場所を決めかねていた。
 
 するとゆり子が、「ここにいて」と言って敷布団の足元付近の床上を示した。
 見ると、ゆり子の瞳の奥には、不安な色が浮かんでいてた。療治を主導するゆり子は、俺が近くにいたら集中できないことが分かっているだろう。
 
 しかし、不安な気持ちから、夫である俺の存在を近くに求めたのだ。少しだけだが、陰鬱な気持ちが晴れた気分だった。

 敷布団の足元に陣取ると、緊張と興奮がない交ぜになった顔つきの木村が戻ってきた。

「―――すまん。ゴムが・・・・・・緊張で立たない」

 泣き出しそうな表情の木村の申告は、想定内だった。擬似的といっても、童貞の男が人妻相手にセックスごっこに臨むのだ。

 無理に勃起させようとすれば、逆効果になることも考えられた。こういう状況が長引けば、ゆり子の負担が大きくなる。俺は早く終わる事だけを考えていた口を開いた。

「無しでやるか」
 
 リビングの入口に突っ立ったままの木村ではなく、仰向けのゆり子に訊いた。俺の言葉が意外に感じたのか、少し驚いた顔をしたゆり子だったが、暫く考えてから口を開いた。

「―――汚れるけど。いいよ、ゴム無しで」

「ごめん。立ったら、その時にゴム着けるから」

 ゆり子に言いながら、最後には俺の顔を見て、木村が頭を下げた。

 仰向けに寝転がったゆり子に、木村がゆっくりと近づいた。足元に近い場所に陣取った俺に、戸惑いの視線を向ける。

 親友として、緊張を和らげるために、俺は軽くウインクをして返してやった。俺のゴーサインを見たゆり子が、「来て」と恥じらいを含んだ小さな声で木村を促した。

 木村の体が近づくと、誘うようにぬいぐるみを挟んだ両足をゆっくり広げた。ガチガチに緊張した体を不器用に折りながら、木村がゆり子の両足の間に入り込み、そして体を沈めた。

 二人の行為は敷布団上で行われ、それを覆う掛布団はない。丸見えの状態だ。

 5分くらい経つだろうか、俺は木村の不器用な腰の動きを眺めていた。頼りない腰つきを見ていると、本当にセックスの疑似体験になるのか、と疑わしくなってくる。

「どう?」

 木村の下で受け身となっているゆり子が、優しく囁くように訊いた。

「うん・・・・・・」

 感想をためらう木村の言葉が続かない。

 腕を突っ張って、上半身を持ち上げる様にして支え、下半身をゆり子の股間にあるぬいぐるみに擦り付けている。
 木村の必死な形相は、快楽からはほど遠く、懸命に腰を振っているものの、勃起していなように感じた。
 
 無言のルールに従っている俺は、何故だか安堵の気持ちが広がり、空気のように存在を消して行為を見守った。

「体、倒しても、いいよ―――」
 
 優しい口調でゆり子が言った。
 今まで見たことがない、男を夜伽に誘う妻の態度に興奮を覚えた。
 
 頷いた木村は、突っ張ていた両腕を畳んでゆり子に体を重ねてゆく。
 離れていた上半身同士が密着し、Tシャツ越しのゆり子の胸のふくらみが、木村の胸板で潰れるのが見えた。服越しであろうと、木村は確実にゆり子の胸の感触を愉しんでいるはずだ。

 ゆり子の顔を挟むよにして、木村が両肘を突いた。お互いの顔同士が接近し、見つめ合う姿勢になるのを、俺は息をつめて見守った。
 
 体が密着して、腰の位置を調整するように木村がもぞもぞと動く。体勢が整うと、ゆり子の方から声を掛けた。

「・・・・・・続けて」

「うん」

 木村の腰の動きが再開すると、その動きに合わせ、お互いの顔がさらに接近し、ゆり子が顎を引いて目を伏せた。段々と木村の呼吸が荒くなり、腰の動きがスムーズになてゆく。

 すると、ゆり子の方にも変化が見られた。閉じていた口が少し開き気味になり、鼻に掛かったような、「ふぅ」とか「はぁ」とか、溜息交じりの短い声を発するようになった。

 やや後方から、二人の行為を俯瞰する俺の一物は、いつの間にか勃起していた。腰の動きは力強いものに変わり、木村の一物も勃起を窺わせた。

 激しく腰を擦り付けると、下になっているゆり子の体が激しく上下に動いた。
 ぬいぐるみを挟んでいるとは言え、木村の荒々しい腰の動きで、何らかの物理的な刺激がゆり子自身の体に加わっていることが想像できた。

 腰を振っている木村は早くも汗まみれで、下になっているゆり子の額にも汗が滲んでいた。ぬいぐるみの事が頭にあるので、セックスごっこと割り切って見ていられるが、二人から伝わってくる、生々しい雰囲気はどうにもならなかった。

 擬似的な行為と分かっていても、ゆり子が木村とセックスしているように、時折、錯覚した。懸命に腰を振る木村を見ていると、ゆり子が提案したセックスごっこは、女性恐怖症に打ち勝つ効果的な方法であったように思えてくる。

 木村の腰の動きが、不意に止まった。傍観者の俺が、自身の勃起に、ズボンの上から手を添えた場面だった。密着の正常位に移ってから、そう時間は経過していない。

 うっとりとした表情のゆり子が、閉じかかっていた目を見開いた。

「どうしたの?」

「う、うん。立ったから、ゴムを着けるよ」

 木村の言葉に、「紳士ね」と返したゆり子の視線が、俺に向けられた。

 ―――ゴムを取れってことか、と理解した俺は、体を持ち上げた木村にコンドームを渡した。

「ありがとう」

 当然、黒子に徹している俺は無言のままだ。ルールを頭の中で反芻したのか、木村は俺と目を合わせることはなく、一人で頷いてゆり子の方に顔を戻した。

 コンドームを着けるために、ぬいぐるみが覗いている股の間から、木村が体を離そうとした。それを、ゆり子が腕を掴んで止めた。

「―――待って。離れたら萎んじゃうかも」
 
 木村に言いながら、ゆり子の視線が再び俺に向けられた。

 何かを訴えかけるような目で、無言の口元が「いい?」と訊いてきた。ゆり子の意図がいま一つ理解できない俺は、曖昧に頷くしかなかった。すると、ゆり子の目が妖しく光ったように見えた。

「キム兄、そのまま動かないで」
 
 言いながら、上半身を起こしたゆり子が、自信の股間の間で正座の姿勢をとっている木村の手から、コンドームの袋を取り上げた。

「そのままでいてね。私が着けてあげる」
 
 まさかとは思ったが、ゆり子の手は躊躇なく木村のパンツを引き下ろした。

「はぁ~ん」
 
 感嘆とした声と溜息が、ゆり子の口から漏れた。
 
 セックスごっこの途中で、ゆり子が木村の一物を目にするとは思わなかった俺は、思わず前のめりの姿勢になった。

 ゆり子自身が興奮していて、進んで木村の一物を見にいったようにもとれる流れだったが、ゆり子を信用している俺は、その思いを心の中で強く打ち消した。

 決めたルールでは、お互いの肌には触れない、とあったはずだ。これは、ゆりこ自身が言い出したことで、自ら破るとは考えられなかった。

 コンドームを着ける、と言ったゆり子の手元に注目した。
 
 ゆり子に見つめられても、木村は堂々としたもので、その一物は俺に対して無遠慮に、一層大きさを増したように見えた。

 真っ赤に腫れあがったカリ首は、傘を大きく開いて雄を主張し、筋張った竿部分に浮かび上がっている血管が、どくどくと力強く脈打っているように感じた。
 今まで童貞だったことが信じられない程に、木村の一物は凛々しく上を向いていた。

「キム兄、根元を握って」
 
 言われるままに、木村が一物の根元を握り込む。

 その行為自体が快感を生んで、木村は小さな呻き声を上げた。

「―――うっ!」

「あぁ~ん―――変な声出さないの。そ、そのまま動かないで」

 甘い息を吐き出して、ゆり子が袋から取り出したコンドームを亀頭に当てがった。指で輪っかを作って、ゆっくりと根元方向に被せてゆく。鼻先は不必要なほど、竿に近い。

 ゴムに一物が絞られてゆく感覚なのか、木村が再び呻き声を上げた。

「ふぅ~」

「バカね。はい、できた。再開するわよ」
 
 二人のやり取りに、俺の出る幕はなかった。

 ゴムを被せ終えると、あろうことかゆり子は、一物をうっとりと物欲しそうに眺めた。そして、ふと我に返ると頬を朱に染めて体を横たえた。

 ゆり子の行為は、夫からすればアウトだった。百歩譲っても、微妙な判定と言えた。確かに、ゆり子は木村の一物には直接触れなかった。
 
 しかし、コンドーム越しだろうと、木村の一物に手を添える行為は、ルール違反ではないのか。結局のところ、傍観者の俺は、一人で嫉妬と怒りを沸々と滾らせることしか許されず、また、心情とは裏腹に自身の勃起は、一向に収まる気配を見せないでいた。

 横になったゆり子に、パンツを履き直した木村が体を重ねた。腰の動きは再開後もスムーズで、勃起が維持されている事を窺わせた。

 早いとこ射精まで導ければ、ゆり子の役割は終わる。俺のモヤモヤとした気持ちにも、終止符を打つことができる。セックスごっこが始まった以上は、複雑な心境で親友を応援するしかなかった。

 再開した木村の腰つきは、順調に見えた。お互いの顔は近くにあり、時折、見つめ合って意思を通わせているように見えた。耳元で木村が何かを囁くのか、ゆり子がこくりと頷く場面もある。

 懸命な木村の顔から、大粒の汗がゆり子の頬に伝い落ちている。それを、ゆり子は気にする素振りを見せない。

 見つめ合っている二人の顔は確実に距離を縮め、どちらかが、すこしだけ口を突き出せば、意図せずに唇同士が触れ合ってしまうだろ。
 
 普通のセックスなら、間違いなく熱いキスに発展している場面だった。

 興奮極まった腰の動きがますます強まり、下になっているゆり子の体は、さらに大きく揺れ始めた。緩衝材としてのぬいぐるみが、擦り切れるのではないのか、と心配になるほどだ。
 
 ぬいぐるみ自体が動いて擦れるのか、若しかしたら、ぬいぐるみ越しに勃起の硬さが伝わるのか、ゆり子の小さく端切れのような溜息に似た声は、次第に大きくなってゆき、明らかな喘ぎ声に変わっていった。

「あ、あぁ~ん」

「ゆ、ゆり子ちゃん―――」

「う、ううっ―――うっ、ぁああん」
 
 二人の盛り上がりに、俺の股間はジンジンと痺れ、我慢できず自身の一物にズボンの上から手を伸ばした。

「ゆり子ちゃん、めちゃ気持ちいい―――」

「本当? キム兄―――嬉しいぃよ・・・・・・あ、あああっん」

「なんか、本当にしてるみたいだ」

「うっ、ううふぁん。バカ、ほ、本当にしてるのよ。キム兄は私としてる、うう、のよ」

 射精を促すための、ゆり子なりのリップサービスだと思うのだが、二人の気持ちが俺の知らない所で盛り上がっていくようで、不安を通り越して恐怖すら感じた。

 擬似的であっても、脳を騙すということは、木村にとっては俺の妻と現実にセックスしたことと、何ら変わりがないのでは、ということになる。

 そう考えると、心が潰れそうになるのに、俺の一物はどくどくと脈打った。

「キム兄、どう? ううっ、い、いけそう?」

 暫くして、木村と同じように汗だくとなったゆり子が訊いた。

「う、うう。気持ちがいいけど、その、ちょっと自信がないかな」

 コンドームを着けてから、10分近くが経過していた。緊張はとっくに解け、順調そうな木村だったが、射精の兆候は見られなかった。実は女の方が、男の体の変化に敏感だったりするのかもしれない。

 鋭いゆり子の言葉に、木村の動きが鈍った。擬似的とは言え、相手がいる状況での射精となると、初めてでは色々な障壁があるのかもしれない。

 ゆり子の両手が下から木村の肩に添えられた。

「あっ、ちょ、ちょっと待って。ストップしてキム兄」

 息を大きく吐き出して、木村の腰が止まった。汗まみれの木村の顔を見上げたゆり子が、「ゴムを着けたから?」と訊いた。

「分からないないけど、ちょっと感度が悪くなった気もする」

 木村の返答に、同性の俺も、なるほど、と納得する部分があった。思案顔を作ったゆり子の視線が、黒子の俺に突き刺さる。またしても、無言の口元が「いい?」と訊いてきた。

 何を求められているにせよ、これ以上は拒否したい気持ちで顔をしかめた。しかし、ゆり子は無言で俺を見つめ続け、根負けした俺は渋々頷いたのだった。

「パンツを脱いでみて。そうしたら、もっと気持ちよくなるかも」

 てっきり、コンドームを外すのかと思っていた俺は、そっちか、と心の中で呟いた。

「―――じゃあ、そうするよ」

 コンドームを手で着けてもらっている木村は、ゆり子に対しての羞恥心は、ほとんどなくなっているように見えた。

 提案を素直に飲んだ木村は、俺の存在を忘れているのか、あえて無視しているのかは分からないが、目の前であさっりとパンツを脱いでしまった。

 コンドームを着けた木村の一物が、パンツのゴム紐部分にひっかかり、跳ねるように飛び出した。
ゴムを着ける前より、明らかに逞しくなっていた。

「わぁお!」

 驚きの声が、ゆり子の口から漏れた。その後で、すぐに俺に視線を向け、悪戯を見つかった子供のように、小さく舌を出した。

「ぬいぐるみがあるから、いいよね」
 
 言い訳じみたゆり子の発言が、この後の生々しい行為を予感させた。限界まで勃起したように見える木村の一物に負けじと、複雑な心境の中で俺自身の一物も硬さを増した。

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