擬似、請負い妻 第12話

NTR官能小説
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 凛々しく勃起した木村の一物が、ゆり子の股間に挟まれているぬいぐるみに狙いを定めるようにして、しっかりと宛がわれていた。
 
 いきり立っている木村の一物を見ていると、何故だか凶器そのもののように感じてしまい、受け身のゆり子のことが心配になった。

 やっていることは、正常位の姿勢のままで、先ほどから変わらない。しかし、木村がパンツを脱いだだけで、もの凄く生々しい行為に見えた。どう見ても療治からは程遠く、ごっこ遊びの領域を超えているように思えた。

 パンツを脱いだことで、木村の感度が上がり、一物を擦り付ける無骨な尻の動きが激しさを増していた。

 二人の足元付近に位置した俺は、静かに接合部分を観察する。激しい木村の動きに対して、ゆり子の股間に挟まれている、やや小さめのぬいぐるみが何とも頼りない。

 人気キャラクターのぬいぐるみの顔には、大きくて太い鼻と、大きなプラスチック製の二つの目玉が縫い付けられていた。一物は、その鼻部分と片方の目を押し潰すようにして擦り付けられている。

 コンドームで締め付けられてはいるものの、傘が大きく開いたような形状のカリ首が、ぬいぐるみの突起部分に引っ掛かり、大きな快感を生んでいるのは想像に易い。
 
 快感を貪る激しい腰の動きを見る限り、射精まで到達する予感があった。早くいってしまえ、という気持ちがある反面、ゆり子の体を使って射精されることへの強い抵抗感があった。

「うう、ううぁん」
 
 体を使われているゆり子が、小さな喘ぎ声を漏らし始めた。

「ちょ、ちょっと、待って。あ、ああ、ああん」

 腰の動きが激しさを増した分、ゆり子の股間の刺激が強くなっているのだろう。戸惑いの表情を浮かべたゆり子の手が、木村の肩先に添えられた。

 止めて、という意思表示に見えたゆり子の白い手は、しばらくその場に留まっていた。
 しかし俺の淡い期待を裏切るように、迷いながらもゆっくりと木村の背中に移動した。下から木村に抱き着く格好となったゆり子の瞳は熱く潤み、見事に牝の表情を晒していた。

「あ、あふ、あ、ああん。うううっ、くっう~ん」

「ゆ、ゆり子ちゃん。いいの? 気持ちいいの?」

「―――いやん、恥ずかしいから、あんまり言わないで・・・・・・」

 言葉を交わす二人の視線が、妖しく絡み合っていた。

 見つめ合う二人の間に、俺の存在は完全に置き去りにされているようだった。空気のように存在を消すことは目論見通りだったが、急速に危険な予感が膨れ上がった。

 下から抱き着くゆり子の顔に、木村の顔がゆっくりと近づいた。二人は見つめ合ったままだ。木村の顔が段々と距離を詰めてゆく。

 欲情に滾った木村の瞳の中を覗いているゆり子には、自分が何を求められているのか、これから何が起こるのかが、分かっているはずだった。

 傍観者の俺にも、木村の意図は明白だった。戸惑いの表情を浮かべたゆり子は、何故だか顔を背けなかった。ゆっくりと目を閉じると、顎を持ち上げた。

「―――ごほっ、げほっ」

 これ以上ないタイミングだった。
 
 一度キスを許してしまえば、こうも簡単に貞操観念のハードルが下がるものなのだろうかと悲しくなる。一瞬でも遅れていれば、二人は再び貪り合うようなキスに耽っていたのは間違いなかったと確信できた。

 俺の咳払いに、二人の動きがピタリと止まった。快楽の余韻で、こちらを窺う二人の顔が朱く染まっていた。
 
 二人は正常位の姿勢のまま、顔だけを向けて俺を見ていた。暴走気味だった木村は、気まずそうな表情を作っていたが、図々しくもゆり子から離れる気配は見せないでいる。

 木村に抱き着いたままのゆり子は、何事かを考えているような顔つきで、その瞳は明らかに欲情の色を湛えていた。
 
 情けないことに、咳払いだけで喋っていない、と療治に水を差したことへの言い訳を俺は考えていた。

 ―――ルールはあらかじめ決めてあった。
 
 悪いのは、暴走した木村であって、拒否する素振りを見せなかったゆり子の方なのだ。しかし結果の発生がない以上、療治を盾にゆり子は怒るような気がした。
 
 夫として、強い抗議の場面であっても、下衆の勘繰りという言葉が頭の中で反芻し、正常な思考が停止した。

 気まずい沈黙が続いた後に、ゆり子が口を開いた。

「ちょっと、見過ぎじゃない。そんなにガン見されると、気が散るのよ。あんたが邪魔しなかったら、キム兄は最後までいけたと思うけど」

「ちょっと待てよ。おまえだって、その、変な感じで・・・・・・ あのままほっといたら、その・・・・・・」

「はっきり言いなさいよ。誰のためにしてるの―――。あんたの下衆な勘繰りで邪魔しないで!」

 いつにない強い調子のゆり子の言葉に、俺は口を閉じるしかなかった。誰のために、と言われれば、それは木村のためであり、つまりは親友を助けたいと思う俺自身のために、と言い換えることが出来た。

「悪い・・・・・・ 喉の調子が・・・・・・」

 これ以上怒らせるのは得策ではないし、本当に下衆の勘繰りだった場合は、俺のせいで療治が失敗する恐れがあった。
 それに早く療治を終わらせたいという気持ちがあり、俺は素直に謝る方向で言葉を選んだのだった。

「気になるのは分かるけど、変な咳払いは止めて。それと、あんなにガン見されると、キム兄も緊張するでしょ」

「何て言っていいのか・・・・・・ 確かに見られてると、緊張するかな」

 同意を求めたゆり子と、同調する木村に嫉妬心が膨らむ。

「そんなに見てたかよ」

「見てた。私だって恥ずかしいし、キム兄だって最後までいけないよ」

「分かった。邪魔なら、違う部屋に行くわ」

 俺の言葉に木村が目を剥き、ゆり子の瞳が妖しく光ったような気がした。

 勿論、本心ではなかった。挑発気味に返しただけだった。俺の言葉に、木村に抱き着いたままのゆり子が黙考する。

 口をつぐんだゆり子を見ていると、不安な気持ちが膨らんでゆく。何を考えているのかが、夫として分からなくなっている事が原因であるのだが、もう一つの理由があった。

 それは、ゆり子がもの凄く色っぽく見えるからだった。妖艶といった表現が当てはまる。常に隣にいる存在なのに、今夜のゆり子を見ていると、無性に欲情を掻き立てられた。

「バカじゃないの」

 暫くして口を開いたゆり子が、俺の挑発気味の提案を否定した。危険な予感があっただけに、大きく息を吐き出して安堵した。
 
 喉がカラカラに乾き、どうにか言葉を絞り出した。
「じゃ、じゃあ――― どうするよ」
 
 俺のかすれた声を聞いて、ゆり子の口の端からが赤い舌が少し覗いた。上唇をペロリと舐めたのが見えた。

「寝室からタオルケット持ってきてよ」
 
 俺の視線を遮るための対策であることがすぐに理解できた俺は、素早く反応してリビングを後にした。

 タオルケットを持ってリビングに戻ると、二人は同じ姿勢のままで待っていた。腰の辺りにタオルケットを掛けてやると、二人のセックスごっこが再開された。

 足元付近に位置した俺からは、二人の接合部分は見えなくなった。ただ、タオルケットの盛り上がりを眺めるだけで、生々しい情景が幾らか和らいだ感じがするが、その分妄想が膨らむ。

 タオルケットを掛けたことで、二人はすぐに汗にまみれた。木村の背中には、玉のような汗が浮かび、額に浮かんだ汗は流れ伝い、顎からゆり子の顔に落ちていた。

 喘ぎ声を高くしたゆり子の口に、時折その汗が入り込む。ただの汗とはいえ、木村の体から染み出たものを、妻が体内に取り込む情景は淫靡なもので、自身の一物が完全に勃起するまで時間はかからなかった。

 ゆり子が言ったように、木村は俺の視線を感じていたようだった。タオルケットを掛けてからは、腰の動きが一段と激しさを増し、その動きに前後に長いストロークが加わった。

「うううっ―――。ああん、あぁああ・・・・・・」
 
 ゆり子の喘ぎ声は、傍にいる夫に遠慮することなく大きくなってゆき、時折、頭を左右に振って身悶える素振りを見せるようになった。

 苦しそうに喘ぐゆり子の顔を凝視しながら、木村は「うぉお~」と獣が呻くような声を上げて、一心不乱で腰を振り立てる。
 
 木村のアグレッシブな動きを見ていると、射精が近いようにも見えるのたが、体力と精力に底知れないものを感じて不安になる。

「キム兄―――気持ちいい? あああっ、ううっ、うぁあん」

「気持いいよ。ゆ、ゆり子ちゃんは? 変な声が出てるけど、もしかして、感じてくれてるの?」

「い、いやん。そんなこと・・・・・・ さっきも言ったでしょ。聞かないでっ、つつ、ああん。旦那の前で聞いちゃ駄目―――で、でも・・・・・・ いい、いいよ、いいよキム兄、気持ちが、いいよ」

 ゆり子の言葉が本音だと直感した俺の一物が脈打った。

 ゆり子の反応に気をよくした木村の腰の動きに、自信と力強さが加わった気がした。いよいよか、と思ったところでゆり子が狼狽した声を上げた。

「―――ま、待って。うっ、タイム、タイム。あ、あ、あん・・・・・・」

 背中にあった両手を木村の肩先にやり、押し退ける仕草で木村の動きを停止させようとする。しかし木村の腰の動きはスローになっただけで、止まることはなかった。

 突然のゆり子の反応に、思わず自身の立ち位置を確認した。声は出していない。身を乗り出したりして邪魔をしていないことを確認する。

 タオルケットを掛けた腰辺りが、うねるようにゆっくりと動いていた。タオルケットの下を想像すると、いやらしい蛇がとぐろを巻いているようなイメージが浮かんだ。

 視線を上げると、ゆり子が俺を見ていた。目が合うと、すぐに俺の顔から視線を逸らせた。不可解に思う俺を置き去りに、重なり合ったままの二人は顔を近づけ小声で言葉を交わす。

 何を話しているのか、俺には会話の断片しか聞こえてこなかった。

「―――待って。位置が―――だから―――調整―――」
「こっちのほうが―――、―――ダメかな」

「でも――― やっぱり――― ―――だよ」
「お願―――ら。こっちは―――、だから―――ね」

「もう―――ズレて―――。―――は―――だけ―――。絶―――言わ―――。―――約束だか―――」
 
 よほど俺に聞かれたくない内容なのか、二人の口の動きを確認しつつ、集中して耳を傾けても、やはり会話の断片しか聞こえなかった。

 小声の会話が終わると、少しだけ木村の腰の動きが停止した。タオルケットが大きく膨らむ。どうやら木村が腰を大きく浮かせたようだった。
 
 その隙にゆり子も、体をずり上げるようにして、位置を調整したようだ。

 タオルケット越しの腰の動きが再開すると、がむしゃらな腰の動きは、先ほどとは打って変わって静かなものになった。

 しかし、ゆり子の喘ぎ声は、一段と高いものへと変わっていて、大きな違和感があった。

 先ほどまで、がむしゃらに腰を振り立てるだけの木村だったが、気のせいかセックスごっこを楽しんでいる余裕みたいなものを感じた。
 ただ単に、ペースを落としたことでそう見えるのかもしれないが、傍観者の俺には確認する術がない。

「ああ、ああん。うっうう・・・・・・」
 
 眉間に皺を寄せているゆり子は、芝居ではなく本気で感じているようだった。

 夫の親友と擬似的にセックスをしているという状況である。強い性的興奮状態にあることは想像できた。そんな状態では、緩衝材のぬいぐるみに伝わる物理的な作用がもたらす快感はどんなものなのか。

 いつの間にか、ゆり子の両手は木村の背中に戻されていた。白い指先が木村の背中の肉に食い込んでいることから、強くしがみついていることが窺えた。

「―――ひゃぁん!」
 
 腰の動きはスローのままなのに、時折、ゆり子の体が大きくひきつけを起したように震え、素っ頓狂な声を上げた。

 ゆり子の反応に、木村が嬉しそうに声を掛けている。内容は聞こえないが、ゆり子が、うんうん、と頷いて返事を返していた。

「そ、そこよ。そう、そこ。あんまり強く擦らないで―――」

「ここ?」

「そう。っうう・・・・・・ 敏感だから」

 二人のやり取りが聞こえた。セックスごっこに夢中になって、俺の存在が頭の中から消えかかっているのだろう。会話のトーンが上がっていた。

「う、うっ、あん、ああ、あん」

「気持ちいい――― 全然違う」

 呆けた顔の木村が、半開の口の端から涎を垂らしていた。木村が言う、全然違う、とは何を指すことなのかを考えながら、タオルケットの動きを観察する。

 想像したくはないが、ゆり子の反応と会話の内容から結果は簡単に導き出された。タオルケットの下では、ゆり子の股間にあったぬいぐるみが外されているのではないのか。

 そして木村の一物が、ホットパンツ越しのゆり子の股間に刺激を与えているのだろう。考えたくはないが、もしかしたらホットパンツの裾から入り込み、ゆり子の股間に肉迫している可能性もあった。

 ぬいぐるみが外れたことが事故なのか、故意なのかは分らない。激しい腰の動きで、意図せず外れたにせよ、そのまま放置してよいものではなかった。

 本来なら、夫として今すぐにでも止めるべきだろう。しかしゆり子に、下種の勘繰り、と言われたことが頭をよぎった。

 タオルケットの下では、コンドームを着けた木村の一物がゆり子の股間に肉迫して暴れ回っているのは間違いないはずだ。
 
 ただ、ルール違反を示す物証はなにもない。タオルケットの端から、ぬいぐるみが覗いていたら、すぐにでも声を掛けたのだが、現状はなにも見えていなかった。

 それとセックスごっこの中止を躊躇った理由がもう一つある。
 
 それは、自身の下半身の問題だった。完全に勃起した一物は、ゆり子の喘ぎ声に感応してドクドクと大きく脈打ち、俺は今までに感じた事のない種類の快感に見舞われていた。
 しごかなくても、パンツの生地に擦れるだけで射精しそうになっていたのだ。

 ―――自分の妻が他人とセックスしている顔を俯瞰している。
 
 なんと表現すればいいのか分からない。敗退的な行いが、夫婦を日常から遠ざけ、まるで禁断の木の実にありついたような感覚だった。

 目の前の腰の動きが少し速まった。
 
 口の端から垂れた木村の涎が顎を伝い、喘ぎ声を上げているゆり子の口の中へ落ちるの。少し驚いたゆり子は、吐き出すことはせず、頬を緩めると口を閉じて飲み込んだ。
 
 それを見ていた木村が、思わず顔を近づけて、ゆり子にキスをせがんだ。しかし、寸前でゆり子が顔を背けた。

「―――だ、ダメだよ。ルール違反・・・・・・」
 
 拒否された木村は、俺の存在を思い出したかのように、顔を少しだけ俺の方へ傾けた。気配はあったが、俺は木村と目を合わせることなく木村の視線をやり過ごした。

 木村の涎を嚥下したゆり子の動きが変わった。受け身だったものが、明らかに変化した。タオルケットを境にする上半身を見るとよくわかった。

 敷布団に密着していたゆり子の背中が、微妙に浮き沈みを繰り返している。どう見ても、ゆり子自身が積極的に腰を動かしていた。

 療治といっても、やっていることはセックスの擬似的な行いだ。股間を刺激されれば、誰だって性的な興奮を覚えるだろう。
 ゆり子とは、子供が生まれて以降、セックスレス状態が続いていた。もともと欲求が溜まっていたいたのか、今夜のことで眠っていた女の体が目覚めのか、そのどちらとも言えた。

 今夜のゆり子は、間違いなく性的に興奮している。その興奮状態の妻を、あり得ない角度から俯瞰することで、俺自身も経験したことのない興奮に包まれていた。

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