間接照明だけの薄暗い部屋の中には、珠希さんから漂う甘ったるい香水の匂いとは別に、香を焚いたような独特な匂いが立ち込めていた。
前回の時には気づかなかったが、部屋の隅には全面ガラス張りの簡易なシャワーブースが設置されていた。こういう淫靡な雰囲気の場所には、いかにもと言ったところで違和感はない。
その透明な四角い箱の中で、一糸まとわぬ姿の珠希さんがシャワーを浴びていた。
白磁のような透き通る肌を惜しげもなく晒し、時折意味深な視線を投げてよこす。その度に俺の下半身が反応した。
今夜のこの状況だが、期待していなかったと言えば嘘になる。俺は退社直後に、『今夜は接待で遅くなる』とゆり子にメッセージを送っていた。
吾妻との話し合いに向けた日程調整だけなら、メッセージのやり取りだけで事足りた。こうして実際に会う必要はない。
シャワーの音が大きくなった。
伏し目がちにシャワーブースの方を確認すると、扉が少しだけ開いていた。そこから顔を出した珠希さんがこっちに向かって手招きしていた。
「早く来て」
先ほどから感じていた彼女の視線。その意図をやっと理解した俺は躊躇なくネクタイを緩め―――裸になると狭いブースに飛び込んだ。
珠希さんの体が胸の中にすっぽりと収まる。
彼女の背中に腕を回した。
狭いガラスの箱の中で互いの体が密着すると、シャワーの水温とは別に珠希さんのなまめかしい体温をリアルに感じた。
「信ちゃん、本当にありがとう」
胸の位置にある珠希さんの表情は見えない。
「珠ちゃんには幸せになってほしいから」
本心からの言葉だった。だが、やっていることは互いの家族を裏切る行為。本当に彼女の幸せを願うのなら、こんな関係を続けることは間違いだとわかっている。
駄目だとわかっているのに、もう引き返すには遅いことも理解していた。
白磁のような美しい肌。日本人形のような整った顔立ちに男なら誰もが振り返る豊満な肢体。
初めて珠希さんと関係を持ったあの日以来―――いや、違う。木村から初めて紹介された時、そうあの時からすでに彼女の魔性とも言える魅力に取り憑かれてしまっていた。
珠希さんが顔を上げた。口を小さく開けたまま上目遣いで俺を見る。
真っ赤な舌先がぷっくりとした唇の間からのぞくと、我慢できなくなって彼女の口にむしゃぶりついた。
「―――うっ、ぁん」
唾液に塗れた2つの舌がねじれる様にして絡み合った。
俺と珠希さんは髪が濡れるのもお構いなしに、しばらくの間、激しくて濃厚なキスを交わした。
時間を忘れて何時までも味わっていたいと本気で思った。彼女との接吻はそれほどまでに格別で。妻のゆり子とこんな情熱的なキスを交わしたのはいつが最後だったか‥‥‥。
フル勃起した一物に細くて長い指が絡みつく。
遠慮なくギュッと握り込まれた。そして手慣れたようにスナップを効かせた手こきが始まった。
絡み合った舌から広がる快感に、彼女の手こきが加わると一物は恥ずかしいくらいにビクン、ビクンと脈動を繰り返した。
俺の口から、「うっ―――」という情けない呻き声が漏れる。
その様子にキスをしたままの珠希さんが、「ふふ」と小さな笑い声を漏らした。
ベロキスしながら肉棒をしごかれ、頭の中が徐々にふやけていく感覚。
不意に珠希さんの口が離れた。耳元で囁くような声がする。
「すごく元気なんだ」
「誰のせいだよ」
「そんなに求められるなんてうれしい~。今夜もペロぺロされるのかな」
「あ、あの時は‥‥‥」
初めての時、俺はどす黒い欲望に抗えず、拘束された珠希さんの全身をまるで犬みたいに舐めまわした。目隠しと手錠。抵抗できない親友の奥さんの体を前にして、彼女を汚したのだ。
「どこ舐めたい? それとも私がペロペロする?」
珠希さんはいたずらっぽく言って密着している体をくねらせた。
今夜の珠希さんは積極的でものすごくエロかった。口の中に溜まった唾液をごくりと飲み干す。
「珠ちゃん、しゃぶってくれよ」
俺が言うと珠希さんはその場に躊躇なく腰を下ろし身を屈めた。
「あぁ~信ちゃんのおチ〇ポ」
彼女の口から卑わいな単語が飛び出した。それだけで限界かと思われた一物の硬さが増した。珠希さんの白磁のような透き通る肌は上気し、そこからむせかえるような色香が立ち上っている。
そんな恵体を惜しげもなく晒し俺の一物の前に膝をついている彼女を見ていたら―――初めての時と同じようなどす黒い欲求が湧きだしてきた。
段々と嗜虐的な衝動に頭が支配されてゆく。
俺は目の前の小さな頭を両手で挟み込むように掴んでから、いきなり腰を突き出した。
一物が生温かい感触に包み込まれる。
「―――ふぶっ!?」
珠希さんは驚きの声すら上げられなかった。その代わりにメス豚のようにいやらしく鳴いた。
戸惑う様子を見せていたが、やはり手慣れているようで歯を立てることはなかった。
「た、珠ちゃん‥‥‥めちゃ気持いい」
俺の言葉に一物を口にねじ込まれた珠希さんは、上目遣いでこっちを見た。
その瞳はとっくに濡れていた。
珠希さんの頭を固定したまま彼女の口マ〇ンを味わう。
喉の奥まで突き入れ、ゆっくりと腰を引く。それを何度も繰り返し行った。
珠希さんは涙目になりながら、両手は体を支えるようにして俺の太ももを掴んでいた。
「―――ぐっ、げ、げっ、ぐぐ、ごぉほ‥‥‥ぐぶっ、ううぶぁ!」
白いメス豚がいやらしく鳴いていた。気持よすぎて何度も射精を我慢する。
人の妻である彼女を支配しているという昏い悦びに酔いしれた。
「‥‥‥珠ちゃん、飲んでくれ」
「ぶ、ぶぶ、ぶう、うぶ‥‥‥だじで、じゅぼ、ぶっふぁ‥‥‥口のだがに、ぶぼぉ、だじでぇ!」
珠希さんの下品な言葉に射精感がこみ上げる。
彼女の頭を掴んでいる手に力をいれピストン運動を速めた。
容赦なく腰を打ちつけ一気に昇り詰める。そして彼女が一物を喉の最奥で咥えた瞬間、俺は腰の動きを止めた。
「出る―――!!」
精液がびゅびゅっと迸る感覚に身をゆだねる。
「ぐぅううう、ぶぶぶ、ぐっぶううう‥‥‥」
珠希さんが息苦しそうな声を漏らしながら、助けを求めるようにして俺の腰辺りをタップした。それでも俺は腰を突き入れたままで―――。
「ぶぶっ、ぐご、ぐぉぐがぐぉ‥‥‥ぶばぁああ、ぶぶぶぶぶぶっ」
珠希さんが白目を剥いた。
そこで俺は我に返ったように慌てて腰を引いた。
乱れた呼吸を整えながら、珠希さんがゆっくりと立ち上がる。
「ぶはぁ―――はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥もう、乱暴なんだから。はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥信ちゃんのミルク美味しかった」
妖艶な笑みを浮かべた珠希さんは、「ご馳走様」と言わんばかりに真っ赤な舌先で唇をなぞった。


コメント