(改)キャンプ? in Car 第21話

NTR官能小説
 窓ガラスの下がる音と、風切り音で目を覚ました。いつの間にか眠っていた正志の肩には、梨花の頭がもたれ掛かっている。

 ハンドルを握る清三が運転席の窓ガラスを半分ほど下げ、煙草の煙を外へ逃がしていた。順調に走行するミニバンのカーナビ画面に、サービスエリアの案内が表示された。

「交代するよ」
「そうか――― じゃあ次のサービスエリアで交代だ」

 身体を寄せている梨花の頭を、肩で反対側へ押しやりながら正志が言った。運転の交代を承諾した清三はルームミラーに視線をやって答えた。
 助手席の恵美子に対する悪戯は、正志たちが寝ている間に止めていた。

「次のSAはパン屋さんが有名なのよ」
「ちょっと小腹が空いたな」
 
 サービスエリアの話を聞いた恵美子が、運転席の清三に向かってご当地情報を口にした。先ほどまで悪戯されていたことが嘘のように平然とした態度だった。まさか股間をびしょびしょに濡らしていようとは―――、正志と梨花は思いもしない。
 
「もう着くの?」
 頭を預けていた枕がなくなり、目を覚ました梨花が寝ぼけまなこで口を開いた。

「まだだよ。SAで休憩しよう」
 目を覚ました梨花に正志が答えた。その時、体を寄せていた梨花のあどけない表情にドキリとする。妻の恵美子に対しては、久しく感じた事がない感情だった。

 ◇◇◇◆◆◇◇◇◆◆◇◇◇

 ミニバンがウインカーを出して本線から離れた。そして夏休みシーズンの客でごった返すサービスエリアの駐車場に乗り入れた。

 混雑するサービスエリアは、大型車の駐車スペースにまで乗用車が溢れ、出口に近いガソリンスタンドには給油待ちの長い列ができていた。
 店舗が入る建物の周辺には大勢の人の姿があり、屋内の混雑が容易に想像できた。

 清三の運転するミニバンは駐車場を一巡し、出口に近い駐車枠に空きを見つけてなんとか駐車した。
「運転、お疲れ様」
「まだそんなに走ってないだろう――― このまま運転してもいいぞ」

「いや交代するよ。保険の事があるし・・・・・・」
「わかった、わかった。交代する」

 行きの行程と同じ話をする正志の生真面目さに、うんざりした表情で清三が答えた。その清三の手には、助手席に座る恵美子の手がいつの間にか握られていた。

「あ、あなた? 子供達は起こさない方がいいと思うの。だから交替で車を離れましょうよ」
 シートベルトを外し背中を伸ばしていた正志に、手を『ギュ、ギュ』と合図のように強く握られた恵美子が後ろを振り向いて言った。その声は、何故だか上擦っていた。

「だったら僕が残るよ。3人で行っておいで」
「私も残るわ。座席を動かせば子供たちを起こしちゃうから」
 残ると言った正志の言葉に梨花が同調する。たしかに3列目のシートから降車するには、2列目の座席を前方に動かさなければならない。梨花の申し出は的を得ていた。

「そうよね。じゃあ私と川野さんが先に降りるわね。少しお土産を見てもいい?」
「混んでそうだから時間が掛かるぞ」
 上擦った声で言った恵美子の言葉に、確定的な物言いで清三が続いた。

「大丈夫よ。私また寝るから」
「僕も大丈夫だよ。ゆっくりしてくればいいよ」
 欠伸をしながら梨花が言った。それにつられて正志も欠伸が出た。

 恵美子と清三の2人が、連れ立って車から離れてゆく。車内に残った正志と梨花が、遠ざかる2人の背中を目で追っていた。すぐに人混みに紛れてしまう。
 
 運転席と助手席の2人がいなくなった車内には、子供たちの寝息が小さく響いていた。小さくとも規則正しい寝息から、子供たちの深い眠りが窺えた。

 それぞれの伴侶の姿が完全に見えなくなると、梨花がポツリと口を開いた。
「ねぇ・・・・・・ 今からしない?」
「―――っえ!?」
 腕を絡めて抱き着いてきた梨花に、正志は驚いて声を詰まらせた。

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