寝室に着信音が鳴り響くとベッド上の二人の動きが面白いようにピタリと止まった。
「―――ちょっと待って」
ゆり子はヘッドボードに置いてあった自分のスマホに手を伸ばした。が、仰向けで木村を受け入れている態勢ではスマホに届かなかった。代わりに木村が取ってゆり子に手渡す。
「誰から‥‥‥?」
「‥‥‥信太」
スマホの画面を確認したゆり子が呟いた。
それに対して悪戯口調の木村が、「出てもいいよ」と声を掛け―――その瞬間、明らかにゆり子の腰が小さく跳ねた。
「ぁ―――!」
「おっ!? 締まる!」
思った通りで、俺からの着信で妻の体はいやらしく反応したようだった。悦ぶ木村が答え合わせをしてくれる。
「信太からの電話で背徳感増したとか? って、また締まった」
「もう~キム兄のバカ。そんなんじゃないし。信太の電話にびっくりしただけだから」
「俺、イキそうになったけど。それにほら、めちゃ濡れてない?」
「よくわからない‥‥‥けど、信太にこんなことしてるのがバレたらって考えただけで、体が勝手に反応しちゃって‥‥‥あ、あ、また!? あぁ、あああ、ダメ、何か変な感じが~~~う、うっ、あぁ、あああん―――」
不倫妻の告白は、聞き耳を立てている俺の股間に直接響いた。一物を扱くと信じられないくらいの快感に襲われる。
と、告白の途中でゆり子の腰が再び跳ねた。着信音は鳴り響いたままだ。さすがにこの状況で電話に出ることはないだろう。
「―――あ、あ、何で? 何で? ああ―――ぐぅ!」
秘裂に肉棒が差し込まれたままのゆり子は、首を後ろに反らすと体を小刻みに痙攣させた。
「ゆり子ちゃん、凄い締まる―――!」
どうやら軽く気をやったみたいで―――我慢できなくなった木村の腰が動きだし、マットレスが軋み始めた。
その追撃に、ゆり子はたまらず手に持っていたスマホを枕元に放り投げた。俺の名前が画面に表示されているスマホが二人分の汗を吸い込んだシーツ上に落ちて、空しく着信音を響かせる。
その光景に俺の一物がビクンと大きく脈打った。
「電話どうする? 出なくていいのか?」
「あ、ああ、待って、ちょ!? あ、あん、んぁあああ‥‥‥イッてるからぁ、いまイッてるからぁ~ゔぐ、ゔぁあああ~~~!!」
ゆり子の足先がピンと突っ張った。
「ふ、ふ、ふ」
リズムカルに腰を振る木村の手がゆり子の両脚を抱き抱えた。
愛液を垂れ流している秘所が天井を向いたのだろう、木村の腰の動きが前後から上下運動へと変化した。
その動きは硬い地面に杭を打ちつけているようで、肉と肉がぶつかり合う淫靡な音とマットレスの軋む音が大きく、激しくなる。
「あ、ああ、ゔぅぁあああ~それ、いい、いいの!」
「俺も気持いい!」
「もっと、もっと突いてぇ~!」
貪欲な妻の叫び声は牝の悦びに震えていた。近所に聞こえないか心配になるほどだ。
「なあ、このまま電話に出てみないか?」
まるで俺の共犯者のように木村は言った。妙なところで気が合う。妻を寝取られている立場で言えることではないが、親友は伊達じゃない。
「ば、ばかぁ~ん。ぅうゔん、ん、うぁあああん‥‥‥今日はまだ連絡なかったから、後でメッセージしとくぅ、あ、ああ、う、うっ」
「ぎゅ、ぎゅっ―――て、もの凄い締め付け」
「だって、キム兄が変なことばっか、うっ、あ、あ―――ん」
夫婦の寝室から性行為特有の匂いがクローゼットの中へ流れ込んできた。
扉の隙間から覗くベッド上のセックスは終わる気配を見せない。
―――夜は長い、これからだ。
もっと乱れる妻を見てみたい。
俺は一旦、一物を扱く手を止めた。スマホを手に取ると電話を切り、次にメッセージアプリのアイコンをタップした。


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