船上で寝取られて 第12話

NTR官能小説
 中央階段を下へ降り、薄暗い誘導灯が光る通路を抜けた。

 人とすれ違うのがやっとの細い通路の先に、腰の高さでチェーンが渡されている。中央に黄ばんだプラスチックのプレートが掛けられていた。

 ―――夜間立入り禁止。車庫内は大変危険です。お車に御用の方はお近くの職員にお声掛け下さい

 よく見える太い文字で注意書きされている。

 焦る気持ちを抑え一旦チェーンの前で立ち止まり息を整える。
 そして周囲に誰もいないことを確かめると、チェーンを跨いで車庫内に入った。

 中に入ると、灯りは通路と同じ誘導灯のみでさらに薄暗く、人の気配は感じられなかった。

 通路近くの端の方に、二輪車がまとまって駐車されていた。
 その中に僕ら夫婦のオートバイを認めた。車庫内の中央付近まではぎっしりと普通車が駐車されていて、その先の方に大型のトラックが並んであった。

 周りの様子を窺いつつ、トラックが駐車されている奥の方を目指す。腰を低くして乗用車の影に隠れて進んだ。
 
 空調が効いたデッキとは違い、車庫の中は蒸し暑く体中から汗が噴き出す。

 車庫内には船のエンジン音だろうか―――低い機械音が反響していて、僕の足音を掻き消してくれる。
 
 常駐の船員がいる可能性もある。僕は犯罪者みたいな気持ちになって、見つからないよう静かに、そして慎重に歩を進めた。

 そしてトラックの列まであと少しという所だった。―――微かだが人の気配を感じた。

 耳を澄ませば、機械音に混ざって人の息づかいのようなものが聞こえる。

 ―――予想は的中したようだった。
 
 最初は深夜の映画館を考えた。しかし入口の扉は外側からしっかりと施錠されていた。
 それで、他の客の目に止まらず、ある程度広い場所を考えてみて―――この車庫に思い当たった。
 
 実際に中に入って見れば大小の車両が目隠しになり、人目を避けるには都合がいい。

 気配にある程度近づいた僕は、見つからないように鉄製の床に這いつくばった。

 腹這いになって進み、トラックの大きなタイヤの傍で動きを止めた。
 近くに人の気配が感じられるが、薄暗い前方に人影は見えない。

 そして腹這いの姿勢のまま、ゆっくりと横方向を見た。

 ちょうどトラックの車低部を覗き込むような格好で反対側を見る。そこには肌色の蠢く物体―――僕が想像していた以上の妻の痴態があった。

 全裸姿で仰向けに寝転んでいる田中の腰に跨っている妻が、一心不乱に腰を振り立てていた。同じように下になっている田中も全裸だ。周りには脱ぎ散らかされた衣類が見る。
 
 腰を振り立てている妻は背中を大きく弓なりに反らせ、腰のくびれには田中の手ががっちりと添えられていた。

 2人を探して辿り着いた最悪の結末が目の前にあった。
 夫としては、セックスを今すぐやめさせるべきなのだろう。それに男として、愛妻を寝取った男をを殴りつけるということも――――――。

 それなのに、口の端から恥ずかしげもなく涎を垂らして本気でセックスを楽しんでいる妻を目の当たりにしてしまえば・・・・・・何も考えることはできなかった。

 ただ言えること、1つだけ確かな事―――僕は激しく興奮していた。

「―――ううう、ぶぁんあああぐぁあ―――、あぁあぁぁぁんんん!」

 知り合ってから一度も聞いた事のない妻の動物のような呻き声。気持ちよさにタガが外れているのだろうか。その下で田中が腰を激しく突き上げている。

「奥さん――― さ、最高、気持ちイイ!!」

「いいわ~! ああぁん、もっと、もっとぉぉぉーーー突いてえええ!!」

 泣き叫ぶように喘ぐ妻。腰に添えられていた田中の手が妻の胸に移動する。

「うぁはぁぁぁん、オッパイいいの! もっと揉んでェ―――」

 腰を突き上げられ、乳房を弄ばれる妻の体が前方に倒れ込む。それを田中が下から抱き止めた。互いの顔が接近すると熱の籠った瞳で見つめ合い、どちらからともなく激しく口を吸い合い始めた。

 見ていられない妻の痴態。気持ちとは裏腹に股間が熱を持ち、勃起した一物を自然と床に擦り付けていた。

 長い接吻の最中でも2人の腰の動きは止まることがない。

「お、奥さん出そうだよ―――」

「―――駄目っ!! 中はダメぇぇぇっっっ!」

 頭がクラクラした。出会って間なしの青年と、妻は避妊をすることなくセックスを愉しんでいるのだ。今までの幸せだった結婚生活が足元から崩れ去ってしまう感覚に陥る。

 中出しを拒否された田中が一旦動きを止めて体を起こした。
 ズブズブにぬかるんだ割れ目から田中の逞しい一物が抜ける。

「―――うほぉぉぉんんん!」

 その瞬間、妻が間抜けな声で叫んで白目を剥く。
 なんて情けなく、卑しい表情をするのだろうか。体を起こした田中が妻を床に寝かせて上下を入れ替えた。

 セックスに没頭する2人は全身汗まみれで、短い限られた時間の中で純粋に快楽を追及しているかのようだ。
 
 妻が仰向けに寝転がり、自分から両足を大きく開いて田中を迎え入れる姿勢を取る。そこへ田中が腰を進め、挿入された瞬間には妻の両足が田中の腰に巻き付いたのだった。

「―――うっ! っはあああ~~~ん!!」
 
 再び白目を剥く妻。こんな表情は間違っても子供には見せられない。ピストン運動が開始されると体を小さく痙攣させながら悩ましい表情で眉間に深いしわを寄せた。
 
 口許は半開きでダラダラと涎のようなものが端に見える。もう何年も連れ添った良妻の貌はどこにもなかった・・・・・・。

「奥さん、いい?」

「う、うう、っうううぅうう、はっ、はぁ、はあああん―――」

 正常位で貫かれる妻は、田中の問い掛けに答える余裕がない。

「ねえ、一緒に北海道を周りませんか」

「ああっ、あっダメ、駄目よ――― 夫に、ああっ、いい、夫に聞いてみないと―――」

「じゃあ聞いてみましょう。ねっ、奥さん。もっと気持ちよくなりたいでしょ」

「も、もっと? うっ、はっ、はんんん―――、深いぃぃぃっっっ―――!!」

「―――そう、もっと気持ちよく。僕と奥さん、セックスの相性がイイと思いません?」

 調子に乗って何て事を提案するんだ。旅の恥は掻き捨てというが、さすがに妻は同意しないだろうと思うのだが―――。
 
 妻を誘う田中がピストン運動に強弱をつけた。浅く深く―――、浅く、浅く―――、そして思いっきり深く。
 
 妻の割れ目から溢れ出す愛液が白濁していた。本気汁というやつだ。

「どうです? 一緒に走りませんか」

 聞いた田中が、妻の乳房にむしゃぶりつく。
 その頭を妻が下から抱きかかえた。

「っっっはああああん――― 一緒に、あんんん、一緒に、走る・・・・・・ 夫には、夫には私から、話してみるわぁ、ああはああん」

「やったあーーー!」
 
 答えを聞いた田中の腰の動きが速くなる。

「ひぃんんん! 今夜の事は、あああっっっ絶対に、内緒だから、ね」
「分かってますよ」

「お願いよ、絶対に秘密ぅううう――― あああぁぁぁん、気持ちイイ~ぃぃぃんんん!!」
「旦那さんと最近ヤッた?」

「ば、バカぁん。変な事、うううっ、聞いちゃイヤ~。夫の事は、言わないで・・・・・・ 夫婦を長くやってると、淡白に、ああん、なる、のよ~~~」

「じゃあ奥さんは欲求不満ですね」

 からかうように言った田中が妻の鎖骨部分の窪みに舌を這わせる。

「そ、うよ。はぁああん、欲求不満なの―――! だから、いっぱい気持ちよくして~~~!!」
 
 ―――車庫内に響く妻の嬌声。
 そこには妻でもなく母でもなく・・・・・・性欲にいやらしく歪んだ牝の貌があった。

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